異分野交流会 | 奈良女子大学 男女共同参画推進機構

これまでの交流会  元のページへ戻る

これまで行ってきた交流会をご紹介します。

第11回異分野交流会 2023年2月4日(土)

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開催方法:奈良女子大学コラボレーションセンターZ306
     ハイブリッド(対面・オンライン(Zoom))
テーマ:「みつける」「ささえる」「つなげる」
 
第9回、第10回はオンラインでの開催であったが、今回はハイブリッド形式で開催された。
今岡春樹奈良女子大学学長は、ご挨拶の中で、異分野交流の重要性を述べられた。その例として、令和4年度に法人統合された国立大学法人奈良国立大学機構の榊裕之初代理事長の研究分野である半導体電子工学(ナノ構造による電子の量子制御と素子応用)を挙げ、これは電子工学と半導体工学という異分野の研究の交流・融合から生まれたものであることを紹介された。
研究発表では8件の研究成果が紹介された。「ことば」に関連する研究が4件、栄養等が与える卵子の質への影響、農村コミュニティにおけるダイバーシティの実態、そして、異分野交流会を契機として始まった共同研究の成果2件である。
各研究発表の後、2つのグループA(「ことば」に関連する研究)、B(その他の研究)に分かれてグループワークが行われた。グループワーク終了後にまとめが行われた。Aグループからは、4つの研究に共通していることはコミュニケーションであり、「ことばの繰り返し」を軸にした共同研究の可能性があることが報告された。Bグループからは、少子化問題、女性の社会参加の問題を軸にした共同研究の可能性があることや、異分野交流会を契機として始まった共同研究が今日も継続されている要因として研究連絡を取り合っていることなどが報告された。
講評では、久保博子奈良女子大学副学長(研究担当)は今後の研究の発展に期待する旨を述べられた。待田昌二神戸松蔭女子学院大学学長は、ラフな研究であっても挑戦的な研究に期待する旨を述べられた。
対面を含む開催であったことから、会場では研究情報の交換など久々に研究交流が活発に行われている光景が見受けられた。

第10回異分野交流会 2022年2月5日(土)

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開催方法:武庫川女子大学 Zoom
テーマ:「みつける」「ささえる」「つなげる」
 
今回は7件の研究発表が行われた。日本語における字形認識のパターンの違いを、生活者としての外国人を対象としたアンケート調査に基づいて分析し、「はね」や「突き抜け」等が文字認識の要素であることが紹介された。在宅療養高齢者における食品摂取多様性と低栄養との関連性について、10食品群の摂取頻度に着目して調査を行った結果、訪問看護サービスを利用する在宅療養高齢者の低栄養状態であること等が報告された。平成20年学習指導要領が改訂されダンスは必修となり模索が続いているが、そのような状況の中で「ダンスアウトリーチ」に着目することにより、子ども・ダンスアーティスト・教師が相互に関わり合い効果的な内容享受にむけたプログラム開発が可能ではないかという提案が行われた。COVID-19が高齢者にもたらした影響について,地域在宅高齢者を対象にQOL,身体機能,精神的健康調査を実施し,2019年(COVID-19流行前)の調査結果との比較等が報告された。植物の環境に応じた水輸送調節の仕組みを、モデル植物であるシロイヌナズナの生体膜にあるアクアポリンという水などを通すタンパク質に着目し、アクアポリンの光による発現や機能の調節の仕組みを分子生物学や細胞生物学的な手法で行っていること、ある種のアクアポリンが環境に応じた植物の生長調節にどのような仕組みで貢献しているか等研究について紹介された。COVID-19 により多大なダメージを受けた事業の一つであるブライダル関連事業に焦点をあて、すでに結婚式・披露宴を行った女性と未婚女性の結婚式・披露宴に対する意識を比較検証し、深層にある顧客ニーズの構造の理解と、価値観の共有であるという結論に至ったこと、また、共感共鳴を得られるコンテクストを見出し、新たな価値創造が今後の課題であることが紹介された。着物類に残された修繕の痕跡に関する調査から、現在には継承されることなく具体的にはあまり知られていない修繕等の方法が紹介された。修繕は傷みの程度に合わせて行われ、最終的には異なる種類に形状・用途を変化させ、残布で汚れや傷みに対するオリジナルの予防策を行うなど、劣化や破損の進度に応じた段階的な対応が垣間見えること、家庭生活の中で、オリジナルの創意工夫を取り入れながら、高度な和裁の技術を駆使して、長期的に手入れを行い長く大切に使用してきた例が紹介された。
各研究発表の後、2つのグループA,Bに分かれてグループワークが行われた。グループワーク終了後のまとめでは、両グループ共に異分野研究の集まりでありまとめは難しいとしながらも、活発な意見交換が行われたことや共同研究のシーズ発掘への期待が報告された。

第9回異分野交流会 2021年2月7日(日)

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会場:神戸松蔭女子学院大学 リモート交流会 @ ZOOM
テーマ:「みつける」「ささえる」「つなげる」
 
待田昌二神戸松蔭女子学院大学学長は、ご挨拶の中で、コロナ禍の中で教育面での苦労がある中で研究を続けてきて今日の発表に至ったことについて感謝の意を述べられた。コロナ禍の中で、これまでの研究方法が通用しないことも分かってきたこと、研究分野を超えた異分野研究交流だけでなく、研究方法についても枠を超えた研究交流を期待する旨が述べられた。
続いて今岡春樹奈良女子大学学長は、イノベーションが重要であること、異分野との交流こそ解決に近づくこと等を述べられた。
 
今回は6件の研究発表が行われた。看護師・保健体育科教員の養成に携わる教育研究の視点からの研究、これまで観察されたことのない新しい生物実験結果の報告とそれに関連して予想される研究展開、SNSでの情報伝搬の調査結果と使用される言葉から見えてくる人の特性の研究の可能性、長い時間をかけて積み上げられた実験・調査研究や地元に根ざした研究の成果、日本語を外国語として学ぶ学習者にとって理解しにくい応答詞についての調査研究について報告された。発表者への質問の後、2つのグループA,Bに分かれてグループワークが行われた。グループワークでは発表者から追加の説明や発表者への質問が行われ、まとめとして共同研究のシーズ発掘の可能性が報告された。
 
オンラインでの開催であったが、活発な意見交換が行われた交流会であった。
 

第8回異分野交流会 2020年2月2日(日)

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会場:奈良女子大学コラボレーションセンター3階 Z306室
テーマ:「みつける」「ささえる」「つなげる」
 
今岡春樹奈良女子大学学長は、ご挨拶の中で、研究分野だけでなく様々な分野においてイノベーションが重要であること、イノベーションは異分野との交流から生まれることが多いこと、そして、この異分野交流会は既に8回目を迎えており今後の新たな研究の進展を期待したいということを述べられた。今年度奈良女子大学は代表機関としてダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(牽引型)に採択され、共同実施機関とともに関連する事業を推進すること、イノベーション、ダイバーシティは潮流というものではなく本質的なものであることも述べられた。
 
12時10分から8件の研究発表が行われ、発表者への質問の後、2つのグループA,Bに分かれて活発なグループワークが行われた。Aグループからは、日本語教育と情報分析の研究分野、及び健康・スポーツ分野と心理分析・情報分析の研究分野において新たな共同研究の萌芽の可能性についての報告があった。Bグループからは、高齢者をキーワードの一つとして複数の研究をみることができるのではないかという報告があった。
 
グループワークのまとめの後、神戸松蔭女子学院大学の待田昌ニ学長は、講評の中で、グローバル化に対する恐れと反発はあるだろうが、生活を考えるとグローバル化は避けて通れず我々は大きな変化を受け入れて生きていること、生活の変化は健康や心理の変化に影響を与えること等複雑化していること、そして研究でもそのような側面を考えておく必要があること等を述べられた。
 
WGを構成する3女子大学以外の複数の研究機関・企業からの参加者があり、フリートーク、グループワークでの活発な意見交換が印象に残った交流会であった。
 

第7回異分野交流会 2019年2月3日(日)

会場:武庫川女子大学 中央キャンパス 文学2号館 3階 32号室(L2-32)
テーマ:「つくる」「みつける」「ささえる」
 
武庫川女子大学学長は開催の挨拶の中で、異分野交流会の趣旨と今回のテーマを絡めて、研究者・参加者が(本交流会で)共同研究をつくる・みつける、そして、(本交流会が)支えること、更に独創的研究の基盤の一つに異分野交流推進があることを述べられた。6件の研究発表の後、A(「みつける」)、B(「つくる」「ささえる」)の2グループに分かれてグループワークが行われた。グループワーク終了後のまとめでは、両グループ共に異分野研究の集まりでありまとめは難しいとしながらも、各研究の動機と共通性、各研究が人の生活の理にかなったものであること等の意見交換の内容が報告された。神戸松蔭女子学院大学学長が講評の中で述べられたことであるが、当たり前と思っていることが実はそうではないこと、異なる研究分野の必然性と偶然性を知る機会であることを再認識する研究会であった。

第6回異分野交流会 2018年8月4日(土)

会場:神戸松蔭女子学院大学 松蔭大学会館3階 地域コミュニティルーム
テーマ:「情報」「健康」「地域」「文化」
 
上記のテーマにそって6件の研究発表が行われた。パワーポイントによる口頭発表後の質疑応答、及びフリートーク時間における質疑応答が活発に行われた。その後、6件の研究を健康に関するもの2件とその他の4件の2グループに分け、出席者は興味をもったグループを選び研究情報の交換や研究討論に参加した。交流会終盤のグループワークのまとめにおいて、前者のグループでは2件の研究内容は近接しており異分野交流とは言えないかもしれないが様々の領域の研究者が参加しており、研究についていろいろな意見が寄せられたことが報告された。また、後者のグループでは4件の研究が「情報」「地域」「文化」の複数のテーマに関連しており、まさに異分野交流のグループワークであったこと、そしていずれの研究も自己表現・自己開示をキーワードにして展開・発展していく可能性があるのではないかということが報告された。今回の研究発表においても、第2回異分野交流会から開始された「異分野交流共同研究シーズ発掘支援経費」に応募し採択され今日の発表に至った研究が含まれており、異分野交流会の役割を感じさせるものであった。

第5回異分野交流会 2018年2月3日(土)

会場:奈良女子大学コラボレーションセンター3階 Z306室

テーマ:「美」「情報」「身体」「環境」
 
今岡奈良女子大学学長は、異分野交流はイノベーションに必須であるが実行するのは難しいこと、しかし、この交流会はその難しいことを実施しており進んでいるとして、挨拶と共に期待を述べられた。
12時10分から7件の研究発表が行われた。当初の予定時間を越えて各研究成果の紹介が行われた。その中には、第2回異分野交流会から開始された「異分野交流共同研究シーズ発掘支援経費」に応募し採択され今日の発表に至った研究が含まれており、異分野交流会が一定の役割を果たしていることを参加者全員が感じ取ることができたと思われる。
フリートークでは、各発表者がポスターの前にたち質問に答えていた。その後、発表者・参加者は3グループに分かれ、グループワークを行った。グループワークの後、各グループの討論内容が発表された。グループAは基礎研究のグループであり、発表者への質問の中から新たな研究の可能性を見いだすことや若い集団への啓蒙活動につなげること等が紹介された。グループBでは、発表者の研究の背景や参加者の(研究側面からの)参加理由から始まり、研究を含めて研究対象に対するバックアップ等の問題意識について意見交換を行い、その内容が紹介された。グループCは異分野(生物学、言語、保育)の集まりであり、発表者への質問から始まり、そして途切れることなく意見交換が展開されたこと、そして、性差と共同体をキーワードにして意見交換の内容が紹介された。
各グループワークのまとめの後、藤原機構長による講評が述べられ、そして、次回の開催校の神戸松蔭女子学院大学学長の待田氏から、ご自身の研究分野との関連から研究発表に対する感想と、急激な社会変化が起きているがこれを壮大な実験が行われていると捉え、異分野を知ることにより幅広い研究を知ることができる機会になるという力強いメッセージが述べられた

第4回異分野交流会 2017年8月5日(土)

会場:武庫川女子大学 中央キャンパス 中央図書館6階ラーニング・コモンズ604

テーマ:「生活」「感性」「女性」「科学技術」
 
第4回は午後12時から開催された。主催校の挨拶の中で、女子大学のみにある支援を探すのではなく人間としてあるべき支援の姿勢を探すことが重要であることや、女性研究者支援活動を通して、複数大学の連携のもとでの支援(単一大学では困難な共同研究者を見つけることなど)の必要性が見えてきたことなど、異分野交流会に対する希望・期待が述べられた。引き続いて、京都女子大学を加えた4女子大学から6件の研究発表が行われた。テーマの「生活」「感性」「女性」「科学技術」にそって、ポスターによる研究発表が行われた。このうち2件は大学院生によるものであった。質疑応答の後、発表者と参加者は3グループA,B,Cに分かれ意見交換が行われた。グループワークの後、各グループの討論内容が発表された。グループAからは、衣食住をテーマとして幅広い分野の研究者が参加し活発な意見交換が行われたことが報告された。グループBからは、異分野交流の視点は研究の深堀りではなく、研究室の中から出て視野の広い見方ができることなど、一見関係のない研究テーマのもとでも研究展開のアイデアなどを見出すことができることなどが報告された。グループCからは、研究の進め方等について若い人たちへのアドバイスの必要性や同じ研究をする人が少ない等の課題が指摘された。 グループワークの報告からこのような異分野交流会が果たす役割・意義を確認することができた。今後も継続して開催していくことが重要である。

第3回異分野交流会 2017年2月5日(日)

会場:神戸松蔭女子学院大学 松蔭大学会館3階 地域コミュニティルーム

テーマ:「研究倫理について」「生活と科学」
 
午前中に研究倫理について、3女子大学の取組について各大学の担当副学長から説明があり、続いて研究倫理のビデオ「THE LAB 研究不正を避けるために」が上映された。その後、3グループに分かれて、各大学の取組についての質問や研究倫理をキーワードにして活発な意見交換が行われた。各グループの意見等は記録者によりまとめられて掲示され、他のグループの意見交換の内容等を知ることができた。 午後は、京都女子大学を加えた4女子大学から6件の研究発表が行われ、更に各発表者に対する質問等のフリートークが行われた。その後、6件の研究を女性の健康に関するもの3件と表現の発信に関するもの3件の2グループに分け、出席者は興味をもったグループを選び研究情報の交換や研究討論に参加した。各グループでの意見交換の内容もまた記録者によりまとめられて掲示された。 当日は雨にもかかわらず、50名近い参加者があり、午前の内容、午後の内容は全く異なるものであったが、それぞれの立場から参加者は活発な意見交換を行った。この意見交換や情報交換を通して新しい共同研究が生まれてくる可能性を十分に期待できる交流会であった。

第2回異分野交流会 2016年8月6日(土)

会場:奈良女子大学コラボレーションセンター3階 Z306室

テーマ:「食と健康」「環境と生命」
 
第1回と同様に交流会の開始時に3学長から挨拶が述べられた。挨拶ではダイバーシティ推進や異分野交流により女性研究者の育成と支援に取り組み、研究・学術分野において視野を広げる努力を続けることが重要であることが述べられた。続いて「食と健康」「環境と生命」に関する11件の研究発表がポスター発表と合わせてパワーポイントにより行われた。このうち2件は第1回異分野交流会で紹介された研究を同一研究者が発展・継続させたものであり、交流会としての継続性を示している。この後、参加者は発表内容を参考にして4つのグループに分かれ、昼食をとりながらグループワークを行った。各グループワークでは、自由な討論を通して浮上してきた関心や課題を取りまとめ、更に今後の具体的な共同研究に結び付けることができるかどうかについても活発な意見交換が行われた。最後に、各グループワークのまとめが発表された。関西圏女子大学連携プロジェクト「異分野交流会共同研究シーズ発掘支援経費」の募集を行い、 審査の結果3件の研究グループに経費の支援を行われた。

異分野キックオフ交流会 (第1回異分野交流会)2016年2月6日(土)

会場:武庫川女子大学中央図書館2階グローバルスタジオ

テーマ:「食と健康」「環境と生活」
 
3女子大学(奈良女子大学、武庫川女子大学、神戸松蔭女子学院大学)は連携して、女性研究者が連携機関の研究者や技術者などと新たな共同研究を立ち上げることや課題の発掘・計画提案などを支援し、研究環境の整備とダイバーシティ化を推進することを目的として、研究交流会を開催することとした。午前中は3女子大学の学長から交流会の意義や交流会への期待が述べられ、その後のリレーポスターセッションでは11件の研究発表があり、背景・現状・課題等が紹介された。引き続いて、交流会参加者全員が、参加の動機、どんな業務に携わっているか、どんなことに興味をもっているかについて、自己紹介を行った。 この後、参加者は、ポスターセッションの発表内容を参考にして、4つのグループ (食と健康が2つ、生活と環境が2つ)に分かれ、昼食をとりながら、グループワークを行った。各グループワークでは、活発な意見交換が行われ、グループワークのまとめが発表された。研究手法、調査研究の困難さ等の課題を明らかにすることを含めて、異分野の研究者が交流することにより、発想が豊かになり、研究推進の展望を得る可能性が示された。グループワークの発表の後「異分野融合のダイナミクス」と題して、大学における研究のあり方、研究の本質等についての提言と、京都大学学際融合教育研究推進センターでの取り組みが紹介された。参加者が研究をとりまく様々な課題に向き合い、予定の時間を過ぎても意見交換が行われ、その目的 を十分に果たせた交流会であった。