男女共同参画推進機構 概要
奈良女子大学は、基本理念の第1に「男女共同参画社会をリードする人材の育成-女性の能力発現をはかり情報発信する大学へ-」を定め、この基本理念に基づき、また、男女共同参画社会の実現へ向けて国が定める基本計画等に基づき、教育・研究・運営等のあらゆる場面で、様々な取組を行ってきました。それらの取組を総括・評価し、男女共同参画社会の実現に向けてさらに一層努力することを明確にするために、また、地方自治体等における男女共同参画社会実現へ向けた活発な動きに呼応・連携して活動していくために、平成17年11月、奈良女子大学男女共同参画推進室を設置しました。
平成18年度には、男女共同参画推進室が中心となって、文部科学省科学技術振興調整費「女性研究者支援モデル育成」に、課題名「生涯にわたる女性研究者共助システムの構築」で応募し採択されました。この事業を推進するために、男女共同参画推進室が核となって女性研究者共助支援事業本部を立ち上げ、様々な活動を展開しました。科学技術振興調整費の採択期間は平成21年3月で終了し、同年4月からは大学の重要な取組として位置づけ、大学独自の活動として事業を展開しています。
本学では、意思決定過程への女性の登用促進、女性教員の採用促進に関するアクションプランの制定等のシステム改革、意識改革がすすみ、このような改革を基盤として平成22年度科学技術振興調整費「女性研究者養成システム改革加速」に応募し、提案課題「伝統と改革が創る次世代女性研究者養成拠点」が採択されました。採択期間は平成22年度からの5年間であり、女性人材育成機関としての伝統と実績を活かした取組を更に充実させ、理工系分野の女性教員数の増加を目指すことになりました。そして、これを契機に、男女共同参画推進室は、男女共同参画推進本部、女性研究者共助支援事業本部、女性研究者養成システム改革推進本部の3本部からなる新しい組織となりました。
平成23年5月、男女共同参画のための活動を一層推進するために基本方針を定めました。また、ポストドクターと博士後期課程の学生を特定の学問分野の専門能力だけでなく、産業界など実社会の多様なニーズを踏まえた発想や国際的な幅広い視野を身に付けた人材として養成し、多様なキャリアパスの確保を支援するため、平成23年度科学技術人材育成費補助事業「ポストドクター・インターンシップ推進事業」に応募し採択されました。この事業を実施するための組織「キャリア開発支援本部」を4番目の本部として設置し、平成23年10月に、男女共同参画推進室は4本部体制になりました。
平成24年12月、男女共同参画推進室の組織の名称が、「男女共同参画推進機構」にあらためられ、「奈良女子大学男女共同参画推進機構規則」が制定されました。また、その運営を担う「奈良女子大学男女共同参画推進機構運営委員会」が設置され、その規程が整備されました。なお、男女共同参画推進に係る具体的業務を実施するために4本部体制はそのまま維持されています。男女共同参画推進機構は、機構長、副機構長、機構員で構成され、奈良女子大学における男女共同参画推進活動に関する年度計画を立て、意識啓発のためのFD活動、他研究機関などにおける男女共同参画・女性研究者支援の調査、学内における男女共同参画推進の現状・問題点の把握、高度女性人材育成のために必要な支援体制・教育研究指導体制などについて学内ニーズの把握と問題点の検討を行っています。
平成28年度から第3期中期目標・中期計画の下での活動が始まることに伴い、男女共同参画推進機構では、女性研究者の研究活動の支援効果の向上を目指して、「女性研究者共助支援事業本部」と「女性研究者養成システム改革推進本部」を統合して「ダイバーシティ研究環境支援本部」を設置し、平成28年4月から3本部体制(男女共同参画推進本部、ダイバーシティ研究環境支援本部、キャリア開発支援本部)で活動を推進することになりました。「女性研究者養成システム改革加速」の採択期間(平成22~26年度)が終了し、平成27年度に事後評価を受け、すべての項目と総合評価に於いて「A」評価を獲得したこと、及び、平成27年度は本学独自経費により女性研究者の研究活動の支援を行いその効果が顕著であることから、女性研究者共助支援事業本部の活動と統合することにより、その支援効果を更に向上させることが期待できると判断したからです。男女共同参画推進機構は、今後も、多くの方々のご協力やご支援を仰ぎながら、諸課題に対し真摯に向き合い、可能な解決策を提案・実施していきます。