ごあいさつ・基本方針
ごあいさつ
本学の基本理念に基づいて、女性の活躍を応援
奈良女子大学は、昭和24年(1949年)5月に奈良女子高等師範学校から国立大学に昇格してから、三学部一研究科体制の今日まで、女性人材の養成機関としての責任を果たすために、可能な限りの努力を続けてきました。平成12年(2000年)11月には大学の基本理念が制定され、その第一番目に「男女共同参画社会をリードする人材の育成―女性の能力発現をはかり情報発信する大学へ―」が掲げられました。この基本理念に基づいて、本学ではこれまでに教育・研究・社会貢献における男女共同参画に向けた取組を推進し、学内外における女性の活躍を応援してきました。
男女共同参画推進機構の設置、女性人材育成のための環境整備
2019年度に本学の男女共同参画推進活動は新たなフェーズに入りました。
2019年4月より、本学は男女共同参画推進担当の副学長(男女共同参画推進機構長兼務)を置き、男女共同参画推進に向けての本学の姿勢をより一層明確にいたしました。また、7月には、文部科学省科学技術人材育成費補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(牽引型)」に選定され、9月下旬(9月27日交付)より、本学が代表機関となり、奈良工業高等専門学校、武庫川女子大学、株式会社プロアシスト、帝人フロンティア株式会社、佐藤薬品工業株式会社と共にさまざまな取組を進めて行くことになりました(事業期間は2019年度から6年間)。また、協力機関として、奈良先端科学技術大学院大学、奈良県立医科大学、神戸松蔭女子学院大学、ワキ製薬株式会社、名阪食品株式会社などにも入っていただき、関西圏の女子大学、高専、企業が連携して、ダイバーシティのある研究環境の実現に取り組むことになりました。この事業を円滑に進めるために、男女共同参画推進機構の組織を核として、「ダイバーシティ推進センター」を立ち上げ、共同実施機関の連携のもと、さまざまな取組を実施しています。これまでに培った男女共同参画推進活動を基盤に、ライフイベントに配慮した研究環境の改善や研究者の研究力向上、機関内の意識改革を目指します。女性だけでなく、男性にとってもはたらきやすい環境を整備し、ダイバーシティのある研究環境を構築します。
2020年2月27日(木)には、JSTのプログラム主管である山村康子氏をお迎えして、上記事業のキックオフシンポジウムを開催しました。基調講演の後、各機関が取組を紹介し、本事業を進めて行く決意を表明いたしました。
2019年度には新しく「奈良ゾンタクラブ理系女性研究者奨励賞」が設立されました。優れた研究をしている理系若手女性研究者を支援し、研究のさらなる発展を促すための賞で、奈良ゾンタクラブが本学の男女共同参画推進活動に理解を示され、寄附をいただき、賞の設立となったものです。
また、女性研究者のライフイベントに配慮し、子育て中の教職員・学生(大学院生・留学生を含む)の方々がさらに質の高い研究・教育活動を展開するための支援の具体的取組として、「訪問型」病児・病後児保育システムを構築いたしました。これまで、奈良女子大学ダイバーシティ研究環境支援本部では、「ならっこネット」の運用による健康時の子育て支援を行ってきましたが、これまでの成果を活かして、さらに支援体制を強化し、2021年4月には安全でしかも安心な「ならっこ病後児保育支援」を開始いたしました。
これまでの本学の男女共同参画に向けた取組が評価され、期待が高まっていることを感じます。優れた取組を本学の中だけに留めず、他の研究機関・企業にも普及させていく使命があると思います。令和4年度は、上記の事業の4年目を迎えます。多くの取組を予定しており、引き続き気を引き締めて進んで行きたいと思います。関係者のみなさまのご理解ご協力をお願い申し上げます。
奈良女子大学男女共同参画推進機構長
星野 聡子